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車室
しゃしつ
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年1月8日
入力者坂本真一
校正者良本典代
公開 / 更新2017-01-05 / 2016-12-09
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


一頭のやせ馬に、
ひかれゆく黒塗りのかた馬車。
乗ひ合は六人、
その中に一人の若かい女。

膝向き合はした客は、
お互に眼をひらめかし、
たゞ無言。
――疑ひの多き車内だ。

沙漠に似たる車内に、
一人の若かい女、
今宵の旅の疲れに、
一つの慰めとなる。

あゝ車内の若かい女、
夜のランプにたとへやう?。
その異性の光は、
私の淋しい心を照らす。

時々色と匂ひと、
車のゴタック毎にとろけて、
静かになつかしく、
膩にしんた肉にふるゝ。

哀れなものはやせ馬、
鼻息荒らく、たゆむ隙がない、
鞭の鳴る毎に
いや更に走る。



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