えあ草紙・青空図書館 - 作品カード


広告

古街
ふるまち
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年1月10日
入力者坂本真一
校正者良本典代
公開 / 更新2017-03-19 / 2017-01-12
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
HTMLページで読む

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

amazon.co.jp

広告

本文より


黄昏時を四五分すぎたあと、
薄闇を縫ふて、紅い々々燈の華が、
冬咲きの仏相花のやうにちらつく。
昔の栄華を夢見る古るい街、
傾むいた軒を並べて、
底深く静まりかへる。

蔦の生へた石垣からは、
亡びの色調を帯びた虫の歌。また、
たく/″\と流れる溝のなげかひ。

私は古るい街の巷に迷ひこんだ、
何処かへ逃げ道を見出さうとした、
古るい街は逃すまいと抱きつく。

私と亡びゆく古るい街、
その間に永い哀情が横たへ、
深かい/\闇に沈んでゆく。



えあ草紙で読む

find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2017 Sato Kazuhiko