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樹木とその葉
じゅもくとそのは
副題01 序文に代へてうたへる歌十首
01 じょぶんにかえてうたえるうたじっしゅ
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「若山牧水全集 第七卷」 雄鷄社
1958(昭和33)年11月30日
入力者柴武志
校正者浅原庸子
公開 / 更新2001-07-02 / 2014-09-17
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




著者

書くとなく書きてたまりし文章を一册にする時し到りぬ
おほくこれたのまれて書きし文章にほのかに己が心動きをる
眞心のこもらぬにあらず金に代ふる見えぬにあらずわが文章に
幼く且つ拙しとおもふわが文を讀み選みつつ捨てられぬかも
自がこころ寂び古びなばこのごときをさなき文はまた書かざらむ
書きながら肱をちぢめしわがすがたわが文章になしといはなくに
ちひさきは小さきままに伸びて張れる木の葉のすがたわが文にあれよ
おのづから湧き出づる水の姿ならず木々の雫にかわが文章は
山にあらず海にあらずただ谷の石のあひをゆく水かわが文章は
書きおきしは書かざりしにまさる一册にまとめおくおかざるにまさるべからむ



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