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ソヴェト映画物語
ソヴェトえいがものがたり
副題「新女性線」(ソユーズ・キノ文化映画部作品)
「しんじょせいせん」(ソユーズ・キノぶんかえいがぶさくひん)
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「宮本百合子全集 第九巻」 新日本出版社
1980(昭和55)年9月20日
初出「働く婦人」1932(昭和7)年2月号
入力者柴田卓治
校正者米田進
公開 / 更新2002-12-02 / 2014-09-17
長さの目安約 6 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 七巻の美しい立派な映画は、ソヴェト同盟が、世界じゅうのあらゆる婦人のために、婦人の幸福とそれはどうして守られなければならないかを知らせるためにこしらえたものです。
 夜がだんだんあけ放れて、東の空が白みはじめる。もうよっぽど前から起きて働いていた小母さんが、外が明るくなったのでフッと電燈を消した。
 コツコツまだ人通りのない道の上を歩いて、長い棒をかついだ婦人点燈夫が街燈の灯を消して行く。
 日は窓々をひろく照らすようになって、サア、家々の掃除が始った。工場へ行くために、役所へつとめに出るためにせっせと顔を洗う。服を着る。もう往来は朝の勤めに出る女や男でいっぱいになって来た。
 家の中でも!
 工場の機械の間にも!
 役所の机の前にも!
 ここにもあすこにも、働く女を今日の世の中で見ないところは無い。どこででも女は男と並んで勇ましく働いている。
 だが、注意! 注意! 注意をしなければならない。
 ひとりでは腰の切れないほど重いものを無理やり背負ったり、身もちの体を押して力業をしたりすると、注意! 注意! 忽ちそれは思いがけないひどい苦しみを女の体にあたえる。もだえ苦しみ、病院へ行き、しかも死ぬようなことになるのだ。
 婦人も働く。われわれは男と並んで働くが、丈夫な体をもって楽しく働くためには、いろいろ婦人の体の組立てについてハッキリしらねばならない。
 そのためにこの「新女性線」ロシア語のもとの名は「婦人の衛生」という映画が、プラウデ教授という婦人科専門の医師のさしずで美しくつくられたのです。
 世に出て働く婦人のために、この映画は捧げられた。
 生れ落ちたそのときから、女の赤坊は男の赤坊と体がちがう。
 正しく体の骨が発達するように……
 お腹の筋肉が丈夫になるように……
 今に立派な女となるように、医者のさしずで赤坊にも体操をさせてやらなければならない。
 段々大きくなって来ると女の児のすきなのはナワ飛びです。
 ひーふ、
 みーよ、
 いーつ、む、
 ピョン、ピョン、ピョン、ピョン面白そうにナワ飛びをする女の児に決して「なんだネ、一日ピンピンはねてばっかしいて! 家へひっこみナ!」と叱ってはいけない、ナワ飛びが好きなのは、女の子の体の組立てがその運動を必要とするからなのです。ナワ飛びの邪魔をしてはいけない!
 いつかナワ飛びもしなくなると、そろそろ女の子の体が女らしくなって来ます。乳房の形がついて来る。腰が張ってふっくりして来る。そして女の一生に誰しも忘れない時機――月経の始まるときになる。
 どうして月経が起るかというと、見なさい。女の腹の中に右と左と二つの「卵巣」がある、そこで一月に一つずつの肉眼では見えない卵細胞が育つ。それが体の外へ排出されるとき月経が起り、「子宮」の内壁から出血するのです。
 この時期は、婦人にとって大切な時です。足をピチ…

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