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コドモノスケッチ帖
コドモノスケッチちょう
副題動物園にて
どうぶつえんにて
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「コドモノスケッチ帖」 洛陽堂
1912(明治45)年2月24日
入力者土屋隆
校正者田中敬三
公開 / 更新2005-10-26 / 2014-09-18
長さの目安約 8 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

[#挿絵]
[#改見開き]
太郎「鶴がカアカアつて啼いてるの、あれ泣いてるんですか、おぢさん」
おぢさん「泣てるんぢやない、うれしくて歌つてるんです。ほらあの雄の鶴がカアつていうとすぐ雌の鶴がカアカアつていうだろう。そら、ね。カア、カアカア、カア、カアカアつてね」
太郎「おかしいなあ、それぢや二疋で合奏してるんですねえ」
おぢさん「ほうら、また向でもはじめた」
[#挿絵]
[#改見開き]
お山の お山の 兎太郎さん
お前の耳は   なぜ長い。
枇杷の若葉をたべたので
それゆへお耳が長ござる。

お山の お山の 兎太郎さん
何がそんなに怖ござる。
びつくり草ではないけれど
私は風が怖ござる。
[#挿絵]
[#改見開き]
太郎「おまへは虎の従兄なのかへ」
へう「へ[#挿絵]、まあそんなもんです。これでも昔は兄弟だつたんですがね。加藤清正公が朝鮮征伐にいらした時、私の先祖が道案内をしたので、そのお礼に清正公の紋所をこうして身体へつけて下すつて代々まあこうして宝物にしてゐるやうなわけですよ」
太郎「なるほどそうかねえ、道理で清正の紋とおんなじだとおもつたよ」
[#挿絵]
[#改見開き]
梟は何も言はぬ。
世界中の子供がみんな眠つた時
お月様何してる、お星様何してる。
夜、眼の見える梟は
知つてるくせに何も言はない。
[#挿絵]
[#改見開き]
昔、「う」のお母さんが子供を産む時、近所に火事があつたんで、たべかけてゐた魚を「う呑」にして迯だしたさうです。ほんとだかどうだか知りません。うそだと思つたら先生に訊いてごらん。先生が御存じなかつたら「う」に聴いてごらんなさい。
[#挿絵]
[#改見開き]
黒猫「おまへさんなんざあ器量は好いし、おとなしいから人に可愛がられて幸福といふものさ」
斑猫「あらまあ、あんなことを、おなじ猫でも女になんぞ生れてはつまりませんわ」
黒猫「どうしてなか/\、私なんざあ、自分で自分の糊口をしなきやあならないんですからやりきれやせんや」
斑猫「それだから結構ですわ。夜なんかでも、あなたは毛色がお黒いから鼻の頭へ御飯粒をくつつけて口をあいてゐれば鼠さんは黒い所に白いものがあるので喜こんで食べに来ると食べられるつていふぢやございませんか。そんなことはとても私たちには出来ませんわ」
[#挿絵]
[#改見開き]
雪の降る日は
べにす※[#濁点付きの二の字点、コマ10-右-2]め
紅い木の実が
たべたさに
そつと出て見る
いぢらしさ。
[#挿絵]
[#改見開き]
太郎「おぢさん狐は化しませんか」
動物園のおぢさん「私はまだ化された事はない」
太郎「おぢさん、この狐は雄と雌ですか」
おぢさん「さうです」
太郎「それぢや、狐のお嫁入の時雨が降りましたか」
おぢさん「この狐たちは動物園へ来るまへにもう嫁いりしたのです」
[#挿絵]
[#改見開き]
何時来て見ても…

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