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修善寺漱石詩碑碑陰に記せる文
しゅぜんじそうせきしひひいんにきせるぶん
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「狩野亨吉遺文集」 岩波書店
1958(昭和33)年11月1日
入力者はまなかひとし
校正者染川隆俊
公開 / 更新2001-06-29 / 2014-09-17
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




巍々タリ此石標スルニ杳々超脱ノ詞ヲ以テス嗚呼是レ亡友漱石ヲ追懷セシムルモノニアラズヤ漱石明治四十三年此地菊屋ニ於テ舊痾ヲ養フ一時危篤ニ瀕スルヤ疾ヲ問フ者踵ヲ接ス其状權貴モ如カザルモノアリ漱石ノ名聲四方ニ喧傳セルハ實ニ此時ニアリトス蓋シ偶然ノ運行ニ因ルト雖モ忘ルベカラザルコトナリ夫レ病ハ身ヲ化シ身ハ心ヲ制ス漱石生死ノ間ニ彷徨シテ性命ノ機微ヲ捕捉シ知察雋敏省悟透徹スルトコロアリ漱石ノ思想ノ轉向躍進ヲ見タルハ亦實ニ此時ニアリトス固ヨリ必然ノ結果ニ屬スト雖モ忘ルベカラザルコトナリ漱石ノ修善寺ニ於ケル洵ニ名ト實ト共ニ忘ルベカラザルモノヲ得タリ漱石逝キテヨリ茲ニ十七年此地ノ有志相謀リ其忘ルベカラザルモノヲ明カニシ併テ仰慕ノ至情ヲ表セント欲ス乃チ碑ヲ公園ニ建テ漱石當時排悶ノ一詩ヲ勒ス字ハ之ヲ擴大セルモノ由テ以テ片鱗ヲ存シ記念ト爲スニ足ル顧フニ漱石深沈ニシテ苟合セズ靜觀シテ自適ス往々流俗ト容レザルモノアリ彼若シ知ルコトアラバ又此碑ヲ以テ贅疣ト爲サンノミ然リト雖モ贅疣尚ホ能ク衆目ヲ牽ク天地ノ裕寛ナル其用ヲ認ムルニ吝ナラザルナリ況ヤ此碑ニ於テヲヤ敢テ需ニ應ジテ碑陰ニ記スト云フ
  昭和八年四月
狩野亨吉識
菅虎雄書



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