えあ草紙・青空図書館 - 作品カード


広告

赤ずきんちゃん
あかずきんちゃん
原題ROTKAPPCHEN
著者
翻訳者楠山 正雄
文字遣い新字新仮名
底本 「世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人」 小峰書店
1949(昭和24)年2月20日
入力者大久保ゆう
校正者浅原庸子
公開 / 更新2004-05-11 / 2014-09-18
長さの目安約 8 ページ(500字/頁で計算)
えあ草紙で読む
HTMLページで読む

広告

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

find Audible YouTube

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

楽天Koboで表紙を検索

広告

本文より

 むかし、むかし、あるところに、ちいちゃいかわいい女の子がありました。それはたれだって、ちょいとみただけで、かわいくなるこの子でしたが、でも、たれよりもかれよりも、この子のおばあさんほど、この子をかわいがっているものはなく、この子をみると、なにもかもやりたくてやりたくて、いったいなにをやっていいのかわからなくなるくらいでした。それで、あるとき、おばあさんは、赤いびろうどで、この子にずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子によく似あうので、もうほかのものは、なんにもかぶらないと、きめてしまいました。そこで、この子は、赤ずきんちゃん、赤ずきんちゃん、とばかり、よばれるようになりました。
 ある日、おかあさんは、この子をよんでいいました。
「さあ、ちょいといらっしゃい、赤ずきんちゃん、ここにお菓子がひとつと、ぶどう酒がひとびんあります。これを赤ずきんちゃん、おばあさんのところへもっていらっしゃい。おばあさんは、ご病気でよわっていらっしゃるが、これをあげると、きっと元気になるでしょう。それでは、あつくならないうちにおでかけなさい。それから、そとへでたら気をつけて、おぎょうぎよくしてね、やたらに、しらない横道へかけだしていったりなんかしないのですよ。そんなことをして、ころびでもしたら、せっかくのびんはこわれるし、おばあさんにあげるものがなくなるからね。それから、おばあさんのおへやにはいったら、まず、おはようございます、をいうのをわすれずにね。はいると、いきなり、おへやの中をきょろきょろみまわしたりなんかしないでね。」
「そんなこと、あたし、ちゃんとよくしてみせてよ。」と、赤ずきんちゃんは、おかあさんにそういって、指きりしました。
 ところで、おばあさんのおうちは、村から半道はなれた森の中にありました。赤ずきんちゃんが森にはいりかけますと、おおかみがひょっこりでてきました。でも、赤ずきんちゃんは、おおかみって、どんなわるいけだものだかしりませんでしたから、べつだん、こわいともおもいませんでした。
「赤ずきんちゃん、こんちは。」と、おおかみはいいました。
「ありがとう、おおかみちゃん。」
「たいそうはやくから、どちらへ。」
「おばあちゃんのところへいくのよ。」
「前かけの下にもってるものは、なあに。」
「お菓子に、ぶどう酒。おばあさん、ご病気でよわっているでしょう。それでおみまいにもってってあげようとおもって、きのう、おうちで焼いたの。これでおばあさん、しっかりなさるわ。」
「おばあさんのおうちはどこさ、赤ずきんちゃん。」
「これからまた、八、九町もあるいてね、森のおくのおくで、大きなかしの木が、三ぼん立っている下のおうちよ。おうちのまわりに、くるみの生垣があるから、すぐわかるわ。」
 赤ずきんちゃんは、こうおしえました。
 おおかみは、心の中でかんがえてい…

えあ草紙で読む

ライフメディアへ登録

Koboユーザー必見!
楽天スーパーポイントとは別に
価格の5%がポイントに!

find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2016 Sato Kazuhiko