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大政翼賛会と文化問題
たいせいよくさんかいとぶんかもんだい
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「岸田國士全集25」 岩波書店
1991(平成3)年8月8日
入力者tatsuki
校正者門田裕志
公開 / 更新2010-03-15 / 2014-09-21
長さの目安約 17 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 翼賛会の文化部としては、現在まで政府が実行して来た文化政策といふものゝ全体に亘つて、一応どういふことが今日までなされて来てをり、またそれがどういふ結果を生んでゐるか、更にまた政府がどういふ方向に導いてくれゝば、一層国民全体の間に文化が向上するか、さういふやうな問題に就て研究をしてをります。
 この文化政策といふ言葉は、今日まで実際政治の現実面では余り使はれてゐなかつた言葉でありますが、今度近衛さんが総理大臣になられた際に於る声明及び翼賛会の総裁としての声明のなかに、まつたく珍しくこの言葉が使はれてをります。つまり経済政策と並んで文化政策といふことが云はれてゐるのでありますが、これは、日本の現代文化、更に将来の新しい文化といふことを考へて、所謂政治の上に全面的に文化政策といふものが取上げられた、恐らく最初のものではないかと思ひます。勿論政府各省ではそれぞれ文化部門に入るべきいろいろな行政的なことはやつてゐるわけですが、現在の政府の機構から云つて、かういふ文化政策を綜合的に取上げるといふ点に於ても、またその企画の実施運用に於ても、まだ十分でないと思はれるやうな点がありますので、大政翼賛会の文化部としてはこの点に大いに力を入れる必要があると思ふのであります。
 ところが、大体文化部門といふのは比較的狭い意味で考へられてゐる。またこの翼賛会の中の文化部も、狭い意味での文化を担当してゐる処と考へられてゐるのでありますが、大体政治にしろ、経済にしろ、外交にしろ、軍事も含めて、それは一国の文化の一つの現れであると見てよろしい。さういふ意味の文化は、結局国の力そのものといふことにもなるのであります。狭い意味の文化部門といふことになりますと、やはり経済或は政治といふやうなものと並んだ一つの国民生活の部門でありまして、いま文化部としては、経済や政治は大体翼賛会のこの部に属しない部門と考へて、次のやうなものが、われわれの仕事の対象になつて来るのではないかと思つてゐます。即ち教育、宗教、科学、技術、文学、芸術、新聞、雑誌、放送、出版、それから厚生の方面では、労働問題は経済の一部門と見做すことにして、その他の部門、即ち医療、保健、体育、娯楽、これだけ入れゝば、大体文化部門として文化部の取扱ふ範囲にはひると思ひます。
 翼賛会の思想原理といふ問題ですが、これは先頃の協力会議での近衛さんのお話、それから有馬さんの翼賛会の実践綱領解説のなかに相当詳しくまた明確に述べられてをります。たゞ、こゝで私が少しく砕いてこれを解釈して申上げたいことは、今日翼賛会なるものは一つの政治性をもつべきものであると云はれてをり、また総務会でも大体さういふ方向に意見が、致したやうでありますが、一体この政治性といふことに就ては、所謂外国流の政治といふ概念でこれを解釈してはいけないのであつて、これはやはり日本風の、…

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