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戦争指導者
せんそうしどうしゃ
作品ID44702
著者岸田 国士
文字遣い新字旧仮名
底本 「岸田國士全集26」 岩波書店
1991(平成3)年10月8日
初出「日本学芸新聞 第一五一号」1943(昭和18)年4月1日
入力者tatsuki
校正者門田裕志
公開 / 更新2010-05-15 / 2016-04-14
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


流頭。ハロー、聞えるかね、また聞えんふりをしとるんぢやないかね。
茶散。まあいゝからその先を云ひたまへ。日本で戦艦献納運動がはじまつたら、どうしたと云ふんだ。
流頭。どうしたもかうしたもない、若しほんとだとしたら、君、われわれの作戦は土台から、君、てんで問題にならんぜ。
茶散。予算をふやせばいゝぢやないか。君のところには、まだ金はあるだらう。
流頭。金はあるが、人がない。
茶散。人はなんとかなるさ。女がゐるよ、女が。うるさい奴は、みんな水兵にしちまへ。
流頭。まつたくさうでもしたいよ。ゆふべも、実はある婦人会でいぢめられたんだがね、日本の軍艦がアメリカの軍艦より一隻でも多くなつたら、もう戦争は止めろと云ふんだ。フヽヽ無理はないよ。



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