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『演劇』あとがき
『えんげき』あとがき
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「岸田國士全集28」 岩波書店
1992(平成4)年6月17日
初出「演劇」毎日ライブラリー、毎日新聞社、1952(昭和27)年4月20日
入力者門田裕志
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-04-22 / 2014-09-16
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


 本書を編むにあたって、私は、「まえがき」に述べたような精神と内容を盛るために、特にその題目と執筆者の人選に意をくばった。
 一、どんな芝居がよい芝居か
 この問いに答える最も適当な人として、私は、京都大学教授英文学者にして、演劇学者として私の長年にわたる演劇活動を通じての畏友、山本修二君をすぐ頭に浮べた。私の希望はかなえられた。
 一、演劇と社会生活
 これは、現代における演劇のあり方について、深い洞察と鋭い見識をもち、批評に創作に最も新鮮で豊かな才能を示しつつある福田恆存君に、その所信を明らかにしてもらった。
 一、演劇の歴史
 これは世界演劇史の造詣を必要とするので明治大学演劇科主任教授で演劇美学者の山田肇君よりほかに適任者はないと信じ、多忙な時間をさいてもらった。
 一、芝居が出来上がるまで
 この項目は、かつて文学座主事の職にあり、その後東京実験劇場事務局長として演劇界内部の事情に精通し、同時に、フランス劇紹介者としてわれわれに親しみのある原千代海君を煩わして、まことに懇切な内容のものとなった。
 一、わが国演劇の現状
 東京新聞で劇評の筆を執り、俊敏なジャアナリストとして私の嘱望する尾崎宏次君に、このめんどうな調査をお願いした。
 一、演劇を志す人へ
 こういう文章はなかなか書いてもらえそうな人がない。私は、久しい同士としての友情にうったえて、田中千禾夫君に、これを押しつけた。わが新劇史に輝く珠玉「おふくろ」の作者、多くの新劇団体の中心的指導者、そして特に俳優教育に情熱を傾けつつある同君の、きわめて率直な感想をきくことができた。
 最後に、演劇年譜であるが、少壮篤学の士中田耕治君に、非常に骨の折れる草案を作ってもらい、山田肇君に校訂をおまかせした。
 執筆者諸君の編者に寄せられた好意と毎日ライブラリー編集部の目に見えない協力とを、深く謝する。



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