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フランケンシュタイン
フランケンシュタイン
副題02 フランケンシュタイン
02 フランケンシュタイン
原題FRANKENSTEIN, OR THE MODERN PROMETHEUS
著者
翻訳者宍戸 儀一
文字遣い新字新仮名
底本 「フランケンシュタイン」 日本出版協同
1953(昭和28)年8月20日
入力者京都大学電子テクスト研究会入力班
校正者京都大学電子テクスト研究会校正班
公開 / 更新2009-08-30 / 2014-09-21
長さの目安約 361 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

       主要登場人物

ウォルトン隊長――イギリスの探検家。
フランケンシュタイン――スイスに生れた若い化学者。本篇の主人公。
怪物――フランケンシュタインの創造した巨大醜悪な生きもの。
フランケンシュタインの父――名はアルフォンス。かつて長官その他の顕職にあった。怪物に殺される。
エリザベート――フランケンシュタインの許婚者。怪物に殺される。
クレルヴァル――名はアンリ。フランケンシュタインの親友。怪物に殺される。
ジュスチーヌ――フランケンシュタインの父の家の忠実な女中。怪物のために死刑にされる。
ウィリアム――フランケンシュタインの幼い弟。怪物に殺される。
[#改ページ]

    ウォルトンの手紙(第一)
          イングランドなるサヴィル夫人に

セント・ペテルスブルグで、一七××年十二月十一日
 虫の知らせがわるいからとあんなに御心配くださった僕の計画も、さいさきよくすべりだした、とお聞きになったら、お喜びくださることとぞんじます。昨日、ここに着きました。で、まずとりあえず、無事でいること、事かうまく運ぶことにますます自信を得たことをお知らせして、姉さんに安心していただきます。
 僕はもう、ロンドンのずっとずっと北に居るのです。そして、ペテルスブルグの街を歩きながら、頬をなぶるつめたい北方の微風を感じているところですが、それは僕の神経をひきしめ、僕の胸を歓びでいっぱいにします。この気もちがおわかりでしょうか。僕の向って進んでいる地方からやってくるこの風は、氷にとざされた風土の楽しさを今からなんとなく想わせます。この前兆の風に焚きつけられて、僕の白昼夢はいよいよ熱して鮮かになっています。極地は氷雪と荒廃の占めるところだと思いこもうとしてもだめなのです。それは、たえず、僕の想像のなかでは、美と歓びの国として現われてくるのですよ。そこでは、マーガレット、太陽はいつでも眼に見え、その大きな円盤が地平線の上に懸って、永遠の輝きを放っているのです。そこには――というのは、姉さん、あなたの前ですが僕は、僕以前の航海者たちをかなり信じておればこそそう言うのですが――そこには雪も霜も見られません。そこで僕たちは、いくら驚歎してもしきれぬ国、人の住める地球上に今までに発見されたどんな地方にもまさる美しいすてきな国に、吹き送られるかもしれません。天体現象が疑いもなく未知の寂寞のなかによこたわっているように、そこの産物なり地勢なりもたとえようのないものかもしれません。永久の光の国で、何が期待されないと言うのでしょうか。僕はそこで磁針を引きつけるふしぎな力を見つけるかもしれませんし、また無数の天体観察をやってそれをだんだん正確なものにしてもいけるでしょうが、いつもきまって変らないその外観上の偏心率を示すためには、どうしてもこの旅か必要なのです。僕は、これま…

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