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たまごとおつきさま
たまごとおつきさま
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日
初出「子供之友」婦人之友社、1924(大正13)年3月
入力者菅野朋子
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-03-23 / 2014-09-16
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


 むかし、のはらの一けんやに、にはとりが一羽すんでゐました。そののはらのむかふには、ひくい、きれいな山が三つならんで立つてゐました。
 ある、月のいゝばんのこと、そのにはとりが、玉子を一つうみました。そのたまごに、丁度のぼつてきた月が、光りをさしかけましたので、たまごは、それは美くしくて、しんじゆのたまのやうに見えました。
 にはとりはうれしくてたまらないので、玉子ばかり見てゐました。けれども、そのうちに、玉子は、だん/\消えていつて、かげばかりになり、おしまひには、そのかげさへも見えなくなつてしまひました。
 ぼんやり、それを見てゐたにはとりは、たいへんびつくりして、おつきさまのところへかけて行つて、
「おつきさま、どうぞ、わたしのたまごを、かへしてください。」とたのみました。
 すると、こんどは、きふに、おつきさまがわらひながら、だん/\しぼんで、たまごになつてしまひました。
 にはとりは、たいへんよろこんで、
「ほんとですか、おつきさま、これがわたしのたまごですか。」といつて、それを羽の下に入れようとしますと、それが、見る間に大きくふくれて、三つならんだやまのむかふから、おつきさまになつてのぼつてきました。
 あくるあさ、にはとりが目をさまして、のはらにいつてみますと、まへのばんのおつきさまが、しろくすきとほつて、空にのぼつてゐました。そこで、にはとりはおほきいこゑでなきました。
「それは、たまごか? おつきさまか? コケツ、コケツ。」



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