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三匹の小熊さん
さんびきのこぐまさん
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日
初出「婦人之友」婦人之友社、1931(昭和6)年12月
入力者菅野朋子
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-06-18 / 2014-09-16
長さの目安約 5 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 ある所に、三匹の小熊さんがお母さんと一緒に住んでをりました。
 朝になると、目覚し時計が、三匹の小熊さんを起します。
 三匹の小熊さんは、それから朝の御飯を頂きますが、今朝からは、牛乳を飲まなければなりません。何故といつて、牛乳は三匹の小熊さんの身体のためには一番いいものですから。
 けれども、困つたことに、三匹の小熊さんは、牛乳といふものは、にほひをかぐのもきらひです。そして、どうしても飲みません。それを見てゐたのが、戸棚の中の角砂糖さんです。箱の中から首を出しました。小熊さんたちは、牛乳は大きらひですが、角砂糖さんは大好きですから、今迄のシカメツ面はどつかへ飛んでしまつて、急に、ニコニコ致しました。
 お母さんは、それを見て、牛乳をおなべにうつして、その中へ、角砂糖さんを入れやうと致しますと、気のきいてゐる角砂糖さんたちは、水泳の選手のやうに、見事なダイヴイングをして、牛乳の中にはいつてしまひました。それで、やつと三匹の小熊さんは甘い牛乳をのみました。
 さて、三匹の小熊さんには一人のお友達があります。あひるさんです。あひるさんはお父さんと一緒に住んでゐました。
 あひるさんがベツドの中で寝てゐますと、あひるさんの大好物のどじようさんが、部屋の中にはいつて参りました。あひるさんは、ベツドからとび起きてどじようさんを追ひかけました。どじようさんは戸棚の中へ逃げこみました。あひるさんは、それを追ひかけて、戸棚の中へはいつてしまひました。
 あひるさんのお父さんは、あひるさんが仲々起きて来ませんので、お部屋へ起しに参りました。すると、あひるさんの姿が見えません。あひるさんのお父さんは心配のあまり、あひるさんのお友達の三匹の小熊さんに電話を掛けて、あひるさんを探し出してくれるやうに頼みました。
 三匹の小熊さんは、友達を探しに出掛けることになりました。お母さんは汽車賃に十銭玉を下さいました。
 三匹は停車場へ参りました。汽車に乗らうとしましたが、どこへのるのか、汽車に乗るのは初めてなので分りません。三匹は汽車の屋根に座り込みました。汽車はやがてトンネルにはいりました。三匹の小熊さんは屋根に乗つてゐたものですから、はねとばされました。三匹は、トンネルの上を一生懸命で駆け出して、やつと、トンネルを出た汽車の屋根にとび乗りました。あんまり力を入れてとび乗つたので、屋根をつきのけて、汽車の中へめり込みました。汽車の中へおち込んだ三匹の小熊さんは、汽車から外に、押し出されました。何故といつて、そこは、小熊さんたちの降りる所だつたからです。何といふ便利に出来てゐる汽車でせう。
 三匹の小熊さんは、それから探偵の犬さんの家へ、あひるさんの捜索を頼みに行きましたが、犬さんはこの寒さで、風邪を引いて、気がむしやくしやしてゐましたので、小熊さん等がいくら頼んでも窓をしめて返事を致…

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