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あめくん
あめくん
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日
初出「コドモノクニ」東京社、1939(昭和14)年6月
入力者菅野朋子
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-08-22 / 2014-09-16
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


「シト シト シト シト」
と ちいさな おとをさせて あめくんが やつてきました。
「スル スル スル」
とじどうしやが はしつてきましたが、あめくんに であふと すつかり ぬれてしまひました。
「パカ パカ パカ」
と おうまが かけてきましたが、やつぱり あめくんに であふと びつしより ぬれてしまひました。
「おもしろい おもしろい」
と あめくんは おほよろこびで、こんどは すこし おほきな おとで ふりはじめました。
「ビチヤ ビチヤ ビチヤ ビチヤ」
 すると こんどは おとこのこが あまがつぱをきて かさをさして、やつてきました。
 あめくんは かさと あまがつぱのために どうしても そのおとこのこを ぬらすことができません。
「ザア ザア ザア」
 おこつた あめくんは、ちからいつぱい ふりましたが、おとこのこは へいきで あるいてゆきます。
「ザア ザア ザア」
 あめくんが あとをついてゆくと、おとこのこは うちのなかへ はいつてしまひました。
「おかあさん、ひどいあめですよ」
と おとこのこ の こゑが きこえました。
「ピチヤリ ピチヤリ ピチヤリ」
と あめくんは ガラスまどを たたきました。
 あまがつぱを ぬいだ おとこのこ と ちひさな おんなのこが ガラスまどの ところへきて いひました。
「あめくん、こんにちは」
 おこつてゐる あめくんは へんじをしないで ただガラスまどを たたきました。
「ピチヤリ ピチヤリ ピチヤリ」
「こんにちは。ごくらうさま。きみはどこからきたの」
と おとこのこが いひました。
「とほい にしのはうから。ピチヤリ ピチヤリ」
と あめくんが こたへました。
「ごきげんよう。おやすみなさい」
と ちひさなおんなのこが いひました。
 あめくんは きげんが なほつたので
「おやすみ」
と いつて、やねのうへで、あさまで
「シト シト ピチヤ ピチヤ」
と しづかに うたを うたつて、あさになると とほくのひがしのはうに いつてしまひました。



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