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純粋経済学要論
じゅんすいけいざいがくようろん
副題01 上巻
01 じょうかん
原題ELEMENTS D'ECONOMIE POLITIQUE PURE OU THEORIE DE LA RICHESSE SOCIALE
著者
翻訳者手塚 寿郎
文字遣い新字新仮名
底本 「純粹經濟學要論 上卷」 岩波文庫、岩波書店
1953(昭和28)年11月25日
入力者京都大学電子テクスト研究会入力班
校正者京都大学電子テクスト研究会校正班
公開 / 更新2006-12-07 / 2014-09-18
長さの目安約 182 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

     訳者序

 一九〇九年、レオン・ワルラスの七十五歳の齢を記念して、ローザンヌ大学は m[#挿絵]daillon を作った。それには、次の銘が刻んである。
 "A L[#挿絵]on Walras, n[#挿絵][#挿絵]Evreux en 1834, professeur[#挿絵]l'Acad[#挿絵]mie et[#挿絵]l'Universit[#挿絵]de Lausanne, qui le premier a[#挿絵]tabli les conditions g[#挿絵]n[#挿絵]rales de l'[#挿絵]quilibre[#挿絵]conomique, fondant ainsi l'[#挿絵]cole de Lausanne. Pour honorer cinquante ans de travail d[#挿絵]sint[#挿絵]ress[#挿絵]."
(一八三四年に Evreux に生れローザンヌ Acd[#挿絵]mie 並びにローザンヌ大学の教授であり、経済均衡の一般的条件を論証した最初の人であり、ローザンヌ学派の開祖であるレオン・ワルラスに。利慾を離れた五十年の研究生活に敬意を表するために。)
 この銘こそはワルラスの学問的業績を最も明確に表明しているものである。多くの経済学説史家は、メンガー、ジェヴォンスと共に限界利用説を作りあげたこと、または数学を経済学に応用したことをもって、ワルラスの学問的功績となそうとしている。まことにこの点に関するワルラスの業績は、時間的に見ればジェヴォンスとメンガーとに後れてはいるが、立論の精緻なことにおいて、これらの学者の及ぶ所ではない。けれどもワルラスの業績の第一次的意義をここに求めようとするほど、彼に対する理解の浅薄を示すものはないであろう。だがワルラス自身さえも第一次的意義のあるものを意識しなかったのである。ローザンヌ学派に属する有力な一人である G. Sensini の一句、「ワルラスは、一八七三年から一八七六年の間に、有名な四箇の論文を書いた。――彼の学問的仕事はほとんどすべてこれらの中に含まれている。――しかし彼は、これらの論文に述べられた先人未発の思想の稀有の重要さを解しなかった。彼の頭脳と性質と、そして一部には偶然とが、彼をして、経済学にとりすこぶる豊沃な方途に向わしめたのである。しかるに不幸にも、彼は、社会改良家としての性質に支配されて、まもなくこの研究領域を捨てて、空想的応用方面に進んでいった(一)。」は、この事情を明快に指摘して、余蘊がない。ワルラスが意識せると否とにかかわらず、彼の業績の客観的独自性は、経済現象の相互依存の関係(mutuelle d[#挿絵]pendance)を認識した点にある。一切の経済現象は各々独立なものではなく、相互に密接に作用し合っている。これら経済…

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