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科学批判の課題
かがくひはんのかだい
作品ID46213
著者三木 清
文字遣い新字新仮名
底本 「現代日本思想大系33」 筑摩書房
1966(昭和41)年5月30日
初出「新興科学の旗のもとに」新興科学社、1928(昭和3)年10月号
入力者文子
校正者川山隆
公開 / 更新2011-11-11 / 2014-09-16
長さの目安約 43 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

 ”Ja, wie l[#挿絵]cherlich! und doch wie reich an solchen L[#挿絵]cherlichkeiten ist die Geschichte! Sie wiederholen sich in allen kritischen Zeiten. Kein Wunder; in der Vergangenheit l[#挿絵]sst man sich Alles gefallen, anerkennt man die Notewendigkeit der vorgefallenen Ver[#挿絵]nderungen und Revolutionen; aber gegen die Anwendung auf dengegenw[#挿絵]rtigenFall str[#挿絵]ubt man sich immer mit H[#挿絵]nden und F[#挿絵]ssen; die Gegenwart macht man aus Kurzsichtigkeit und Baquemlichkeit zu der Ausnahme von der Regel.“
Ludwig Feuerbach
 哲学はその他の文化の諸形態とつねに或る原理的な連関において繋ぎ合わされている。この連関からして哲学にとって、それの課題は必然的に産まれて来るのであり、生産的であろうとする限り、哲学は、この連関の自覚の上に自己の任務を把握して行かねばならない。文化の諸領域相互の結合の仕方そのものはいつでも歴史的に規定されている。そして私はこの特殊なる規定性の根源をそれぞれの歴史的時代における基礎経験の特殊なる性格において見出し得ると思う*。一層詳しくいえばこうである。おのおのの時代にあって文化の諸形態、あるいは最も広い意味におけるイデオロギーは、単純に平面的な交互作用の関係に立っているのではなく、かえってそれらは層を成して重り合い、かかる立体的なる関係において交互作用を形作っている。しかもこの成層構造は時代によって歴史的に異なる。或る時代においてはイデオロギーのうち例えば宗教が、しかしながら他の時代においては学問的意識がその構造の基礎となっている。このような差異の根柢はそれらの時代における基礎経験の構造のそれぞれの特殊性にある。基礎経験はその特殊性に応じて自己を存在のモデルにおいて抽象せしめる**。かく存在のモデルとしておのおのの時代において新たに把握された存在の領域は、それ自身モデルの意味において、まさに存在論的に過重されるところの必然性をもっている。新たに把握された存在の領域は規則的にまず現実存在、さらには価値存在の絶対圏へ引き入れられ、その対象はつねに一切の世界変化の独立変数として妥当する。この選ばれた領域の構造は他の存在の領域へ導き込…

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