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コロボックル北海道に住みしなるべし
コロボックルほっかいどうにすみしなるべし
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「日本考古学選集 2 坪井正五郎集―上巻」 築地書館
1971(昭和46)年7月20日
初出「東京人類学会報告 二―一二号」1887(明治20)年2月
入力者Nana ohbe
校正者しだひろし
公開 / 更新2009-03-10 / 2016-02-02
長さの目安約 7 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

      (明治二十年二月十三日[#改行]本會第二十七會ニテ述ブ)
坪井正五郎
MS君は報告第十一号に「コロボックル果シテ北海道ニ住ミシヤ」と題する一編を載せて「此疑問ヲ决定討究スルハ我邦人類學上重要ノ事ト信ズレバ」云々と記されましたが私も左樣に考へますから此事に付いて思ふ所を述べやうと存じます
MS君は北海道の諸地方から出る土器や石器をコロボックルのものとするなら之々の個條をも併せて信じなければならぬだろうとて六個條を連ねられましたが[#「ましたが」は底本では「ましが」]直に一致し難い所が有りまする
第一即ち「コロボックル人種は甞て日本内地ニ蔓延シ信美北越武總羽等ハ其巣窟ナリシコト」と第二即ち「コロボックル人種ハ日本人ト交通セシコト」との二ヶ條はコロボックル論者は何れも信ずる所で有りませうが第三即ち日本歴史上ノ蝦夷ヲ以テコロボックルニ當テザルヲ得ザルコト」とは必しも信ずるには及びますまい否寧信じない有でまり方せう[#「信じない有でまり方せう」はママ]何故と云ふにアイノが蝦夷或は蝦夷の一部で有たとは明な事で有るのに其蝦夷を以てコロボックルで有るとは决して云へない事です、元來蝦夷と云ふ語は所謂東夷と同意に廣くも用ゐ又は東夷の一部分として狹くも用ゐる樣です若しMS君の言はるる蝦夷が廣い意味の蝦夷ならばアイノもコロボックルも蝦夷の内と云へますし狹い意味の蝦夷ならばコロボックルは蝦夷でない東夷と云へませう、コロボックルが蝦夷で有ると云ふなら兎も角も「蝦夷ヲ以テコロボックルト見爲サザルヲ得ザルヤ明ナリ」とは解し難ひ言葉です如此譯故第三は削り去るべき事と考ます
第四に「アイノノ祖先は土器石鏃石斧類を使用製造セザリシコト」と有るのを貝塚より出づると同種の土器石鏃石斧云々との意と見て製造と云ふ方へ力を入れれば其一部分は信用すべき事です
第五に「アイノノ祖先ハ穴居セザリシコト」と有るは札幌近傍に有る樣な竪穴に住まざりしとの意とすれば信ずべき事です
次に第六として「野蠻人ノ口碑ヲ慢リ[#「慢リ」はママ]ニ信用スルコト」と有りますが其説明中に「野蠻人ノ口碑ト雖モ事理ニ合スルヲ信用スルモ妨ナシ」云々と記された通り故愈事理に合はざる以上は斯く云ふ可きですが其研究の定らぬ中は別個條として連ぬべき事とは思ひません
MS君は右の六ヶ條を擧げたる次に「一々之ヲ論難シ第二説(貝塚より出づるが如き土器石器はアイノの祖先が造りたりと云ふ説)ノ信ズ可キヲ主張セントス」とて考を記されました
第一と第二の條下には若しも貝塚より出る樣な石器土器をコロボックルのものとするなら是等をも信じなければならないと云ふ事を繰り返へされたまでにて何所が所謂論難やら一向解し兼ねます第三は前に述べた通り故省いて第四に移て見るに「凡ソ人類ノ開化ノ順序ヲ考フルニ未ダ金鐵ノ用ヲ知ラザル時ニ當テハ必ズ石器及粗造ノ土器ヲ使用スルヲ…

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