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働く町
はたらくまち
作品ID46702
著者夢野 久作
文字遣い新字新仮名
底本 「夢野久作全集7」 三一書房
1970(昭和45)年1月31日
初出「九州日報」1922(大正11)年12月25日
入力者川山隆
校正者土屋隆
公開 / 更新2007-08-08 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




 ある国で第一番の上手というお医者さんが、ある町に招かれて来ました。お医者さんは町に着くと直ぐ、
「ここの人はどうして一日を過ごしていますか」
 と尋ねました。
 町の人はこう答えました。
「別に変った生活もしませんが、私達は日の出前に起床し、日が暮れて床に就き、明るいうちはせっせと働いて日を送っています。又餓じい時はお腹を一パイにするだけ御飯を食べます」
 と答えました。
 お医者さんは、
「それでは私はここにおっても仕事がありません。そんな生活をする人達はいつも健全で医者の厄介になる事がありませんから」
 と言ってさっさとここを立ち去りました。



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