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古い日記の中から
ふるいにっきのなかから
作品ID46703
著者夢野 久作
文字遣い新字新仮名
底本 「夢野久作全集7」 三一書房
1970(昭和45)年1月31日
初出「日本文芸 3巻1号」1936(昭和11)年1月
入力者川山隆
校正者土屋隆
公開 / 更新2007-08-23 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




 俺に取って金は空気と同じものだ、何が税金だと直木が笑った。

 半年の生命を本屋へ質に置いて、本屋に葬式を出させた直木。

 逆王に這入った直木は逆に利く桂馬に頭を遣られて死んだ。

 前後から外れる直木の褌を当にしていた奴が奪い合った。

 ダメになった頭で直木が碁を打って、負けて遣った奴に葬式をさせた。

 死ぬまでは死なないと書いた稿料を一文も取らずに直木は死んだ。



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