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著者
文字遣い新字新仮名
底本 「定本織田作之助全集 第六巻」 文泉堂出版
1976(昭和51)年4月25日
入力者桃沢まり
校正者小林繁雄
公開 / 更新2009-10-10 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




 彼は十円持って喫茶店へ行き、一杯十円の珈琲を飲むと、背を焼かれるような後悔に責められた。
 隣のテーブルでは、十二三の少年が七つ位の弟と五つ位の妹を連れて、メニューにあるだけのものを全部注文していた。そして、二百円払って出ようとするのを、彼はあわてて引きとめて、きいた。
「君はいくら小遣いをもらうの?」
「一日二百円」
「へえ……? お父さんの商売は……?」
「ジープを作ってる」
 彼はびっくりして口も利けなかった。が、喫茶店を出て町を歩いていると、玩具屋で金属製のジープの玩具を売っていた。これだなと、はじめて釈然とした途端、彼は新事業を思いついた。彼はあり金をはたいて、盗難よけのベルの製造をはじめた。製品が出来たので、彼は注文を取って廻った。そして帰って見ると、製品の盗難よけベルはいつの間にか一つ残らず盗まれていた。



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