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ふゆ
著者
翻訳者堀 辰雄
文字遣い旧字旧仮名
底本 「堀辰雄作品集第五卷」 筑摩書房
1982(昭和57)年9月30日
初出「四季 第十四号」1936(昭和11)年3月10日
入力者tatsuki
校正者染川隆俊
公開 / 更新2010-12-21 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


まだすこしもスポオツの流行らなかつた昔の冬の方が私は好きだ。
人は冬をすこし怖がつてゐた、それほど冬は猛烈で手きびしかつた。
人はわが家に歸るために、いささか勇氣を奮つて、
ベツレヘムの博士のやうに、眞つ白にきらきらしながら、冬を冒して行つたものだ。
さうして私たちの冬の慰めとなつてゐた、すばらしい焚火は、力づよく活氣のある焚火、本當の焚火だつた。
人は書きわづらつた、すつかり指がかじかんでしまつたので。
けれども、助力し合つて、夢みたり、失せやすい思ひ出をすこしでも引きとどめたりすることの、何んといふよろこび……
思ひ出はすぐそばにやつて來て、夏のときよりかずつとよくそれが見られたものだ。……人はそれに彩色までした。
かうして室内ではすべてが繪のやうだつた。

 それにひきかへ戸外では、すべてが版畫の趣になつてゐた。
 さうして樹々は、自分たちの家で、ランプをつけながら仕事をしてゐた……



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