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別後
べつご
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「定本 野口雨情 第一巻」 未来社
1985(昭和60)年11月20日
初出焼山小唄「朝花夜花 第一集」研青会、1907(明治40)年1月、おたよ「朝花夜花 第一集」研青会、1907(明治40)年1月、萱の花「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、旅の鳥「朝花夜花 第一集」研青会、1907(明治40)年1月、三度笠「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、夕焼「朝花夜花 第一集」研青会、1907(明治40)年1月、河原柳「朝花夜花 第一集」研青会、1907(明治40)年1月、鳴子引「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、烏(原題 田甫烏)「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、みそさざい(原題 日傘)「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、荒野「文章世界」1920(大正9)年11月1日刊、相馬街道(原題 相馬宿場)「劇と詩」1911(明治44)年6月、機屋の窓(原題 機屋)「文章世界」1908(明治41)年4月15日、哀別(原題 五十里)「新古文林」1906(明治39)年10月、十二橋「枯草」1905(明治38)年3月、夕の空(原題 めくら魚)「枯草」1905(明治38)年3月、麻幹畑「文章世界」1920(大正9)年11月1日、おけら(瀬野伊都子作曲の楽譜付で再録 初出誌未詳)「中央文学」1921(大正10)年12月、子安貝「東京日日新聞」1921(大正10)年1月3日、かなかな蝉(原題 蝉)「文章世界」1920(大正9)年11月1日、おかよ(原題 おなよ)「文章世界」1920(大正9)年11月1日、空飛ぶ鳥(原題 木瓜の花)「ハガキ文学」1906(明治39)年12月、沢の螢「朝花夜花 第二集」研青会、1907(明治40)年3月、悲しき恋「小説倶楽部」1921(大正10)年1月、儚き日「小説倶楽部」1921(大正10)年2月、下総のお吉「文章世界」1919(大正8)年12月1日、十文字「茨城新聞」、渡り鳥「文章世界」1919(大正8)年12月1日、お春娘「牧神」1920(大正9)年11月、磯の上「都会と田園」銀座書房、1919(大正8)年6月、生姜畑「都会と田園」銀座書房、1919(大正8)年6月、風が吹く(原題 己の家 六)「都会と田園」銀座書房、1919(大正8)年6月、篠藪(原題 己の家 二)「都会と田園」銀座書房、1919(大正8)年6月、妻の穂(原題 村童小唄)「早稲田文学」1907(明治40)年5月、人買船「金の船」1920(大正9)年4月
入力者川山隆
校正者noriko saito
公開 / 更新2010-05-02 / 2014-09-21
長さの目安約 13 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

別後


別後

逢ひは しませぬ
   見もしま せぬに
わしの この村を
   馬に乗つて 通つた

馬も嘶く
   わたしも泣いた
逢はれないのに
   逢ふ気で来てる。


焼山小唄

五条館の
   女郎は
山に雉子啼く
   日であつた
被衣かづいて
   片岡の
馬に乗られて
   まへられた

馬が嘶きや
   女郎は
かつぐ被衣に
   顔かくれ
雉子が啼いてる
   いただきの
山の麓を
   越えられた

越えたその夜に
   いただきの
山は焼けたが
   野は焼けず
芒尾花は
   片岡の
馬に喰はれて
   芽が萠えた。


おたよ

ゆうべ厨の
   水甕に
小首かたむけ
   聞きほれた
おたよは背戸の
   きりぎりす

月の夜なれば
   昼顔の
蔓の葉に啼く
   虫の音を
おたよ十六
   なんと聞く

をとめの胸を
   をどらせし
同じ夢見た
   そのあした
逃げて失せたも
   きりぎりす。


萱の花

誰に見よとて
   髪結ふた
西の山には
   萱の花

誰に解かそと
   帯締めた
東の山にも
   萱の花

萱の枯葉に
   だまされた
お綱さまはと
   懸巣啼く。


旅の鳥

山に春雨
   野に茅花
花のかげかは
   つばくらめ
去年常陸の
   ふるさとの
山に来もした
   つばくらめ

雨は降れども
   つばくらは
花に寝もせぬ
   旅の鳥
野にも山にも
   春雨の
雨は糸より
   細く降る。


三度笠

馬に乗られた
   三度笠
手綱とられた
   黄楊の櫛
雁が啼くから
   あれ聞けと
城下通れば
   馬が言ふ。


夕焼

山のふもとの
   遠方は
雲雀囀る
   青野原
声は遙に
   夕暮の
空はおぼろに
   花ぐもり

雲雀囀る
   遠方の
山のふもとの
   大空は
夕焼小焼の
   日が暮れて
桜は真赤に
   みンな焼けた。


河原柳

南風吹け
   麦の穂に
河原柳の
   影法師
最早今年も
   沢瀉の
花はちらほら
   咲きました

待ちも暮しも
   したけれど
河原柳の
   影法師
山に父母
   蔓葛羅
何故にこの頃
   山恋し

藪に茱萸の木
   野に茨
茱萸も茨も
   忘れたが
藪の小蔭の
   頬白は
無事で居たかと
   啼きもした

山に二人の
   父母は
藪の小蔭の
   頬白は
河原柳の
   花も見ず
南風吹け
   麦の穂に。


鳴子引

淀の河原の
   雨催ひ
荻の真白き
   穂はそよぐ
いそげ河原の
   川舟に
菅の小笠の
   鳴子引

河原鶸鳴く
   淀川の
小笠かづぎし
   花娘
河原蓬の
   枯れし葉に
かへる小舟の
   艪が響く

唄へ 花妻
   花娘
淀の川舟
 …

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