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青空の梯子
あおぞらのはしご
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「普及版 原民喜全集第一巻」 芳賀書店
1966(昭和41)年2月15日
入力者蒋龍
校正者小林繁雄
公開 / 更新2009-07-16 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




 二階の窓に桜の葉が繁って、彼は中学を休んだ。曇った朝の空が葉のむかふにあった。雀が囀った。

 怠けものはさきになって困るぞ、と誰も云はないが云ふ。それがちりちりと迫った。
 彼は左官になって一生懸命高い梯子を登り降りする姿を夢みた。懐中時計の字のない部分は白かった。
 正午前である。空がすっかり晴れて来た。



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