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妖怪研究
ようかいけんきゅう
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「井上円了 妖怪学全集 第6巻」 柏書房
2001(平成13)年6月5日
入力者門田裕志
校正者Juki
公開 / 更新2009-05-07 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




 妖怪研究は余が数年来従事せるところなるが、近ごろ応用心理学を講述するに当たり、あわせて妖怪の解釈を下し、ときどき実験をも施しけるに、事実の参考を要するものあれば、館外員諸君よりも事実の御報道にあずかりたく、左に妖怪の性質と種類とを掲記いたし候。
 洋の東西を論ぜず、世の古今を問わず、宇宙物心の諸象中、普通の道理をもって解釈すべからざるものあり。これを妖怪といい、あるいは不思議と称す。その妖怪、不思議とするものにまた、あまたの種類ありし。現今、俗間に存するもの幾種あるを知らずといえども、しばらくこれを大別して二大種となす。すなわち、その第一種は内界より生ずるもの、第二種は外界に現ずるもの、これなり。しかしてまた、内界より生ずるものに二種ありて、他人の媒介を経てことさらに行うものと、自己の身心の上に自然に発するものの別あり。ゆえに、余は妖怪の種類を分かちて、左の三種となさんとす。
 第一種、すなわち外界に現ずるもの
   幽霊、狐狸、犬神、天狗、鬼火、妖星、その他諸外界の妖怪
 第二種、すなわち他人の媒介によりて行うもの
   巫覡、神おろし、人相見、墨色、卜筮、予言、祈祷、察心、催眠、その他諸幻術
 第三種、すなわち自己の身心の上に発するもの
   夢、夜行、神知、偶合、再生、俗説、癲狂、その他諸精神病
 このうち第一種の狐狸、犬神等は、第三種にも属すべし。
 以上の種類に関する事実御報道にあずかりたく、追ってその解釈は「講義録」中に掲載するか、あるいは特別に館外員講義相設け、講述いたすべく候。

出典 『哲学館講義録』第一期第三年級第五号、明治二三(一八九〇)年二月一八日、一頁。



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