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国会図書館のこのごろ
こっかいとしょかんのこのごろ
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「中井正一全集 第四巻 文化と集団の論理」 美術出版社
1981(昭和56)年5月25日
初出「朝日評論」1950(昭和25)年11月号
入力者鈴木厚司
校正者染川隆俊
公開 / 更新2009-10-14 / 2014-09-21
長さの目安約 5 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 立ちあがりのときは、どうなることかと思っていたが、二年半もたってみれば、どうやら一つのコースに乗ってきたようである。
 上野図書館を支部図書館とすることになって、働いている人が約五百人、二十五の各支部図書館と本館を合わせると三百七十万冊の本が管理下に入ることとなったのである。
 支部図書館のうちでも、静嘉堂と東洋文庫は世界的な東洋関係の書籍をもっているし、内閣文庫、宮内庁図書館、上野図書館は、有数の日本古書の蔵書庫である。だからこの三百七十万冊は、名実ともに日本最高の目録構造といえるのである。
 外国書は昔のように自由には買えぬが、わが館はスミソニヤン・ソサイエティーの国際交換組織を通して、一九四八年度は二十五万点を、一九四九年度は三十六万点を受け入れた。ユネスコはこれに関連して、日本の国際交換のインフォーメーション・センターとしてわが国会図書館を指定したので、内外学界、図書館の国際的交渉の斡旋をおこなうことになった。
 一方、議会の立法資料として、調査立法考査局は、これまで六百件余の奉仕をしており、刊行した調査資料は百余冊にのぼっているが、これには六十人ばかりの人々が携わっており、その中には牧野英一先生のような大学者から新進気鋭の学徒まで含まれている。今秋は法律図書館を開設し、支部の最高裁判所図書館、法務府図書館や東大と並んで一大法律図書館網の完成へ一歩を進めようとしている。
 支部図書館の組織は、アメリカの議会図書館にもまだみられない世界独特の組織であるが、これは各省と司法の各図書館を支部図書館とすることになって、共通のユニオン・カタローグをつくり、三百七十万冊の本をお互いの共通のものとする目的をもっているのである。各省の調査機構ではさかんにこれを利用し、今まで、すでに二十万の人が四十万の本を動かしており、調査件数も二万近くになっている。このユニオン・カタローグは五年計画ではじめ、いま二年目になった。
 国内の全図書館に対しては、二十五ヵ年計画でもって、ユニオン・カタローグを完成させる計画である。これができあがると、日本全体の図書館のカードが国会図書館に集まる。有力大学の図書館とも手をつなぎたい。このほうの蔵書カードはすでに約十万枚を繰り込んでいる。
 さらに納本制度で入ってくる本を整理カードに印刷して、全国の図書館、研究所、会社などに流すこともこの九月からはじめているが、これは一枚一円七十五銭くらいで売ることができるようになった。約十五万枚を発送している。
 国内の出版物の出版物目録は、月刊で出しているが、これを集めて今年末には年鑑を出す予定になっている。戦後はじめて完全な出版物目録ができるわけである。その中にはレコード、楽譜、地図もふくまれているが、将来は映画をも加えることを国立国会図書館法は命じている。雑誌記事索引も、自然科学、人文科学に別けて、…

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