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料理メモ
りょうりメモ
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「魯山人の美食手帖」 グルメ文庫、角川春樹事務所
2008(平成20)年4月18日
初出「星岡」1933(昭和8)年
入力者門田裕志
校正者noriko saito
公開 / 更新2010-01-02 / 2014-09-21
長さの目安約 7 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

       鮎

*食べ頃はあゆのとれ出した若あゆから七月初旬まで。さばのように大きく成長したのはまずい。卵子を持つまでが一等美味。
*あゆの産地ではめいめいお国自慢をしているが、結局はだいたいとれたての新鮮なのをすぐ食べること。
*はらわたをぬかないはらもちにかぎる。東京に来るのははらわたをぬいたもの九分九厘。買うときにこのことを留意すること。
*活あゆの刺身は洗い作りの王、一尾から四切れか六切れ。
*背ごしはその次。
*生きのいいものは塩焼き。生きの悪いのは照り焼き。
*あゆの食べ方。塩焼きは頭から食え。頭の中のエキスがうまい。骨はかんで吐き出す。はらわたは無論美味。
*あゆの雑炊はふぐの雑炊に次ぐ雑炊の王。岐阜辺りでやっている。粥の中にあゆを入れて煮えたら頭を持って箸で肉をこそげ落とし骨をぬき棄てる。
*たくさんあって焼いたり保存したり、焼きざましになったものは焼き豆腐と煮ると美味。

       握り鮨

*握り鮨は男子の食べるもので婦女子向きではない。なぜなら、ひと口に食べてうまいものでそれを二つ箸で割ったり、まぐろを別にはがしたりしては鮨の美味は味わえぬ。
*まぐろのとろ、てっか巻きなどはしょうがを載せて食え。まぐろは酢に好適のものなれども少しくさい点がある。これをおぎなうのがしょうが。
*小あじは皮付きの方がうまい。しかし適当に塩や酢が回らないとなまぐさい。たいがいは皮剥。
*わたしの嗜好からいうと赤貝か赤貝のヒモが一等いい。
*のり巻きはしっとりしめったのはまずい。のりが乾燥してカサカサしているうちに食べないとまずい。立ち食い以外はのり巻きは食えぬ。
*あなごに、赤貝は一個十五銭以上のものを食え。もともと原料の高価なもの。安いものは場違いの味のまずいもの。
*えび、玉子焼き、いかなどは問題にするほどでない。女、子供に任しておけ。

       天麩羅

*てんぷら好きは食道楽として誇ったものではない。
*材料、種第一。えびが多いが、えびは養殖でなく天然のもので大きなものは不可。大きいのは見かけだおし。一匹七、八匁か、それ以下。
*揚げたて第二。てんぷらは揚げてすぐ食べなくては種がよくても味は落ちる。
*油第三。種がよくても油がまずくては不可。
*油は胡麻の古い貯蔵品が味がこなれていていい。
*かや油、椿油は単独はいけないが、これを三割くらい加えると胡麻油の味は軽くなっておちつく。
*今の東京風のだしは甘からく重くるしいもので味を落とす。昔の天金はうすい甘くないだしだった。
*てんぷらに新鮮なだいこんおろし、これにしょうゆをかけて食べれば俗なだしに優る。
*だし、種、油、揚げたてをやかましくいうが、新しい掘りたてのだいこんのおろしを吟味する必要がある。

       鰻蒲焼き

*うなぎ好きは食通の至ったものではない。うなぎやてんぷらの…

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