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市川の桃花
いちかわのとうか
作品ID51304
著者伊藤 左千夫
文字遣い旧字旧仮名
底本 「左千夫全集 第五卷」 岩波書店
1977(昭和52)年4月11日
初出「日本」日本新聞社、1903(明治36)年4月7日
入力者H.YAM
校正者高瀬竜一
公開 / 更新2013-09-12 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 停車場で釣錢と往復切符と一所に市川桃林案内と云ふ紙を貰つて汽車へのツタ、ポカ/\暖い日であつたから三等車はこみ合つて暑かつたが二等車では謠本を廣げて首をふつて居る髯を見うけた。市川で下りて人の跡へ付いて三丁程歩くと直ぐ其處が桃林だ、不規則な道はついて居るが人を入れまいとしつらへた垣根は嚴重で着物の裾に二つ三つかぎざきをせねば桃下の人となるわけには行かぬのである。徑が曲りくねつて居るから見た所が窮屈でごちや/\して居るので一向に興が薄ひ樣な心持がする、再び本道へ出ると桃の枝に中山こんにやくをぶらさげ自轉車へ乘つて來る人に逢つた
明治36年4月7日『日本』
署名  クモ生投



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