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寒い夜の自我像
さむいよのじがぞう
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「中原中也詩集」 角川文庫、角川書店
1968(昭和43)年12月10日改版
入力者ゆうき
校正者木浦
公開 / 更新2013-04-21 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




恋人よ、その哀しげな歌をやめてよ、
おまへの魂がいらいらするので、
そんな歌をうたひだすのだ。
しかもおまへはわがままに
親しい人だと歌つてきかせる。
ああ、それは不可ないことだ!
降りくる悲しみを少しもうけとめないで、
安易で架空な有頂天を幸福と感じ做し
自分を売る店を探して走り廻るとは、
なんと悲しく悲しいことだ……



神よ私をお憐み下さい!

 私は弱いので、
 悲しみに出遇ふごとに自分が支へきれずに、
 生活を言葉に換へてしまひます。
 そして堅くなりすぎるか
 自堕落になりすぎるかしなければ、
 自分を保つすべがないやうな破目になります。

神よ私をお憐れみ下さい!
この私の弱い骨を、暖いトレモロで満たして下さい。
ああ神よ、私が先づ、自分自身であれるやう
日光と仕事とをお与へ下さい!
(一九二九・一・二〇)



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