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手紙
てがみ
作品ID51396
副題010 文久三年六月二十九日 坂本乙女あて
010 ぶんきゅうさんねんろくがつにじゅうくにち さかもとおとめあて
著者坂本 竜馬
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-08-06 / 2014-09-21
長さの目安約 4 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

この文ハ極大事の事斗ニて、
けしてべちや/\シャベクリにハ、
ホヽヲホヽヲいややの、けして見せら
れるぞへ
六月廿日あまりいくかゝけふのひハ忘れたり。一筆さしあげ申候。先日杉の方より御書拝見仕候。ありがたし。
私事も、此せつハよほどめをいだし、一大藩によく/\心中を見込てたのみにせられ、今何事かでき候得バ、二三百人斗ハ私し預候得バ、人数きまゝにつかひ申候よふ相成、金子などハ少し入よふなれバ、十、廿両の事は誠に心やすくでき申候。然ニ誠になげくべき事ハながとの国に軍初り、後月より六度の戦に日本甚利すくなく、あきれはてたる事ハ、其長州でたゝかいたる船を江戸でしふくいたし又長州でたゝかい申候。
是皆姦吏の夷人と内通いたし候ものニて候。右の姦吏などハよほど勢もこれあり、大勢ニて候へども、龍馬二三家の大名とやくそくをかたくし、同志をつのり、朝廷より先ヅ神州をたもつの大本をたて、夫より江戸の同志(はたもと大名其余段々)と心を合セ、右申所の姦吏を一事に軍いたし打殺、日本を今一度せんたくいたし申候事ニいたすべくとの神願[#「願」の左に「ネガイ」のルビ]ニて候。此思付を大藩にもすこむる同意して、使者を内[#挿絵]下サルヽ事両度。然ニ龍馬すこしもつかへをもとめず。実に天下に人ぶつのなき事これを以てしるべく、なげくべし。
○先日下され候御文の内にぼふずになり、山のをくへでもはいりたしとの事聞へ、ハイハイヱヘンをもしろき事兼而思ひ付おり申候。今時ハ四方そふぞしく候得ども、其ぼふずになり太極[#挿絵]のくされ/\たルけさごろもをかたにかけ、諸国あんぎやにでかけ候得バ、西ハながさきより東ハまつまへよりヱゾまでもなんでもなく、道中銀ハ一文も用意におよばず。それをやろふと思へバ先つねのシンゴンしうのよむかんをんきよふイツカヲしうのよむあみだきよふ、これハちとふしがありてむかしけれど、どこの国ももんとがはやり申候あいだ、ぜひよまねバいかんぞよ。おもしろや/\、をかしや/\。
夫よりつねにあまのよむきよふ一部、それでしんごんの所へいけバしんごんのきよふ、いつかふしうゑいけバいつかふしうのきよふをよみ(これハとまるやどの事ニて候。ほふだんのよふな事もしんらんしよふにんのありがたきおはなしなどする也。)いたし、まちを。ひる。おふらい。すれバきよふよみ/\ゆけバ、ぜにハ十分とれるなり。これをぜひやれバ。しつかり。をもしろかろふと思ひ申候。なんのうきよハ三文五厘よ。ぶんと。へのなる。ほど。やつて見よ。死だら野べのこつハ白石(チヽリや[#改行]チリ/\)
此事ハ必/\一人リでおもい立事のけして相ならず候。一人リでいたりやこそ(龍ハはやしぬるやらしれんきにすぐにとりつく。)
それハ/\おそーしいめを見るぞよ。これをやろふと思へバよく人の心を見さだめなくてハいかん。おまへもまだわかすぎるかと思ふよ。又けしてき…

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