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手紙
てがみ
副題013 文久三年八月十九日 川原塚茂太郎あて
013 ぶんきゅうさんねんはちがつじゅうくにち かわらづかしげたろうあて
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-08-12 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


家兄より(京)より大坂までおこし候文ニ付て、さし出申候存意、
○彼養子のつがふハ積年の志願ニて、先年も度々申出候得(共兎角)兄が(心)配ニ相掛候事なれば終に立服致候ほどの事にて候ハ、雅兄ニもよく御存の所ニて候。又兼而雅兄が御論ニも土佐一国にて学問致し候得バ、一国だけの論(に)いで(世界を)横行すれバ、又夫だけの目を開き、自ら天よりうけ得たる知を開かずバならぬとハ、今に耳ニ残居申候。一昨年頃に(も今年)今日有事ハ相分り申候故ニ、存意書を認候て家兄ニも出し、親類共ニも相談致しくれ候。其文ニも勢ニよりてハ海外ニも渡り候事も、これ可レ有故猶さら生命も定兼候。且又龍馬年四十ニ相成候まで修行仕度、其時ニハ兄上ハ御年六十ニも及候ものなれバ、家政も御らん被レ成候には今の内より可レ然人、御見立被レ下度との文も有レ之候。其文猶御らん被レ下度候。今時の武稽修行と申ハ、元亀天正ころの武稽人の如く時々、戦争の場に出合実の稽古致し申候よふ相成申候。
当時於二江戸一も弥攘夷と申に相成、勝麟太郎殿其事に與、元より幕よりも重く被レ命候事ニて候。猶龍馬らも要ニ有レ之候て江戸よりの書状八月廿八日ニ参り同九日ニ大坂を発足致事ニ相成候。右の件ニ候得バ元より天下の事ニ引くらべ候得バ、一家の事ハかへり見るにいとまなし。
又すこしも家兄の家の後致し候事ハ、念を出すべき事ハ無レ之候。
龍馬が内に帰らねバ養子もできず、家兄にまで大きに心配相かけ候とならバ、又々出奔か死か可仕より外なし。
何卒以前の御心ニ変り無レ之候時ハ、養子のつがふ御つけ被二成下一度候。早々
恐惶謹言
八月十九日
龍馬
茂太郎様
足下
此状のをもむきにてうしおへよしもとなどにも御申被レ下度、川田金平などには猶々御儀論被レ下度候。
かしこ



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