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手紙
てがみ
副題036 慶応二年八月十六日 三吉慎蔵あて
036 けいおうにねんはちがつじゅうろくにち みよししんぞうあて
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-08-24 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


其後ハ益御勇壮ニ奉二恐慶一候。然ニ去ル七月廿七日及八月朔日、小倉合戦終ニ落城と承り候。扨御内談承り候事の如く、御妙策被レ行候事と奉レ存候。はたして其時恐レ候幕海軍が道を取切候事ハ無レ之、(是もトテモ道ハ取切ハスマイガ[#改行]先用心可レ成ナド承リ候[#挿絵]ナリ。)
其事を承り候てハ、早[#挿絵]下の関へ出かけ候も、何とか力ラなく奉レ存候。将軍も弥死去仕、後ハ一橋又紀州が後ト目ニ望ミ候得ども、一向一条の論なく候よし。何レニしても幕中大破ニ相成候よし。又兼而高名なる幕府人物勝安房守も又京ニ出、是非長州征ハ止メニすべき論致し、会津あたりと大論、日[#挿絵]候よしなれども、何共片付不レ申。
幕ハ此頃英国のたすけを受候事ハ、毛頭出来不レ申事相成候(これハ小松帯刀が見ツモリ)よし。兼而仏蘭西の「ミニストル」ハ幕府の周旋斗致セしなれども、此頃薩より日本の情実を仏蘭西の方へ申遣し、彼仏国ニて薩生両人周旋仕候ニ付て、江戸ニ来レル仏の「ミニストル」ハ近日国に帰り候よし。(是ハ西郷の咄し也。)此頃薩ハ兵ハ動しながら、戦を未だせざるハ大ニ故あり。先ヅ難ズベカラず。幕のたをれ候ハ近ニあるべく奉レ存候。
近時新聞ハ先ハ右計也。
追白、此便ニ森玄道ニ申遣セし事ハ実ニ小事件ながら実にむごそふなる[#挿絵]なれバ、森及井藤助太夫共より申上候得バ、宜しく御聞取奉レ願候。(但シ下の関へ参りたる長崎の売人の事ナリ。)先早々。
万稽首[#挿絵]。
八月十六日

三吉大兄



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