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六百句
ろっぴゃくく
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「虚子五句集(上)〔全2冊〕」 岩波文庫、岩波書店
1996(平成8)年9月17日
入力者岡村和彦
校正者酒井和郎
公開 / 更新2016-09-06 / 2016-06-10
長さの目安約 40 ページ(500字/頁で計算)
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本文より



 さきに『ホトトギス』五百号を記念するために、改造社から『五百句』という書物を出し、また『ホトトギス』五百五拾号を記念するために、桜井書店から『五百五十句』という書物を出した。今度また菁柿堂の薦めによって、『ホトトギス』六百号を記念するために『六百句』という書物を出すことになった。
 これは昭和十六年から、昭和二十年までの句の中から選んだものである。『五百句』の時と同じく句数は厳格に六百句と限ったわけではなく多少超過しているかもしれぬ。

昭和二十一年九月十一日
小諸山廬にて
高浜虚子
[#改丁]
[#ページの左右中央]



昭和十六年

[#改ページ]



初凪や大きな浪のときに来る
一月元日 由比ヶ浜散歩。

大仏に袈裟掛にある冬日かな
一月三日 家庭俳句会。鎌倉八幡宮初詣。南浦園。

枯菊を剪らずに日毎あはれなり
一月十日 草樹会。一ツ橋。学士会館。

苞割れば笑みこぼれたり寒牡丹

寒燈にいつまで人の佇みぬ
一月十三日 笹鳴会。丸之内倶楽部日本間。

冬日濃き所を選みたもとほる
一月十六日 杣男招宴。東品川、玉泉閣。

過ぎて行く日を惜みつつ春を待つ

餅花に出しひつこめし顔綺麗
一月十七日 大崎会。丸之内倶楽部別室。

映画出て火事のポスター見て立てり
一月二十一日 銀座探勝会。金春映画館。

喰積にとき/″\動く老の箸
一月二十二日 「玉藻五句集(第四十八回)」。

この辺の人気は荒し海苔を干す
一月二十二日 物芽会。品川漁師町、洲崎館。

之を斯く龍の玉とぞ人は呼ぶ
一月二十三日 丸之内倶楽部俳句会。

凍蝶の翅におく霜の重たさよ
一月二十八日 二百二十日会。木挽町、田中家、水竹居招宴。

煤けたる都鳥とぶ隅田川
二月八日 清三郎送別会。向島、弘福寺境内。普茶料理。

書乏しけれども梅花書屋かな
二月二十六日 三陽送別会。発行所。

書を置いて開かずにあり春炬燵
三月十一日 二百二十日会。築地、新喜楽。

雛納め雛のあられも色褪せて
三月十三日 七宝会。小田原、斎藤香村宅。

破れ傘を笑ひさしをり春の雨
三月十四日 草樹会。一ツ橋、学士会館。

人影の映り去りたる水温む
三月十五日 「玉藻五句集(第五十四回)」

経の声和し高まりつ花の寺
三月十七日 玉藻俳句会。上野寛永寺、渋沢堂。

春水をせせらぐやうにしつらへし

唄ひつつ笑まひつつ行く春の人

春草を踏み越え/\鳩あるく
三月十九日 物芽会。芝公園蓮池、田川亭。

春雨や茶屋の傘休みなく
三月二十三日 日本探勝会。鶴見、花月園。

春泥に映りすぎたる小提灯

維好日日あたたかに風さむし
三月二十七日 丸之内倶楽部俳句会。

神域の心得読むや花の下

神前に花あり帽をとり進む
三月二十八日 鎌倉俳句会。大塔宮社務所。

松の間の桜は幽かなるがよし
四月四日 家庭俳句会。上野公園。…

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