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手紙
てがみ
副題064 慶応三年四月二十八日 菅野覚兵衛、高松太郎あて
064 けいおうさんねんしがつにじゅうはちにち すがのかくべい、たかまつたろうあて
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-09-09 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


拝啓。然に大極丸は後藤庄次郎引受くれ申候。そして小弟をして海援長と致し、諸君其まゝ御修業被レ成候よふ、つがふ付呉候。是西郷吉が老侯にとき候所と存候。福岡藤次郎此儀お国より以て承り申候。然に此度土州イロハ丸かり受候て、大坂まで急に送り申候所、不レ計も四月廿三日夜十一時頃、備後鞆の近方、箱の岬と申所にて、紀州の船直横より乗かけられ、吾船は沈没致し、又是より長崎へ帰り申候。何れ血を不レ見ばなるまいと存居候。其後の応接書は西郷まで送りしなれば、早々御覧可レ被レ成候。航海日記写書送り申候間、御覧可レ被レ成候。此航海日記と長崎にて議論すみ候までは、他人には見せぬ方が宜と存候。西郷に送りし応接書は早[#挿絵]天下の耳に入候得ば、自然一戦争致候時、他人以て我も尤と存くれ候。惣じて紀州人は我々共及便船人をして、荷物も何にも失しものを、唯鞆の港になげあげ主用あり急ぐとて長崎に出候。鞆の港に居合せよと申事ならん。実に怨み報ぜざるべからず。
早々頓首。
四月二十八日
才谷 龍
菅野覚兵衛様
多賀松太郎様
追而船代の外二千金かりし所、是は必代金御周旋にて御下被レ成るよふ御頼み申候。

別紙ハ航海日記、応接一冊を西郷ニ送らんと記せしが猶思ふに諸君御覧の後、早々西、小松などの本ニ御廻、付てハ、石川清の助などにも御見せ奉レ願候。又だきにて御一見の後、御とゞ(め)おき被レ成候てハ、不レ安候間、御らん後、西郷あたりニ早[#挿絵]御見せ可レ被レ下候。実ハ一戦仕りと存候間、天下の人ニよく為レ知て置度存候。早々。
四月廿八日

菅野様
多賀様



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