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ゆき
作品ID52468
著者中谷 宇吉郎
文字遣い新字新仮名
底本 「雪」 岩波文庫、岩波書店
1994(平成6)年 10月17日
初出「雪」1938(昭和13)年 11月20日
入力者川山隆
校正者門田裕志
公開 / 更新2013-01-01 / 2014-09-16
長さの目安約 156 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

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第1図版
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第2図版
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第3図版
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第4図版
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第5図版
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第6図版
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第7図版
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第8図版
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第9図版
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第10図版
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第11図版
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第12図版
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 この本は雪の結晶について私が北海道で行った研究の経過及びその結果をなるべく分りやすく書いたものである。勿論専門の学者の人に読んでもらうつもりは毛頭ないので、ただ自然の色々な現象について正当な理解を持ちたいと思っておられる人々に、少しでも自然現象に対する興味を喚起する機縁になれば有難いと思って書いたものである。雪といっても問題の範囲が広いので、その中で私が主として調べたのは、雪の結晶についてである。随って雪に関する色々な問題、例えば雪崩とか、スキーと雪との関係とかいう風な話はこの本の中には出て来ない。主な話はこの本の第三話、「北海道における雪の研究の話」及び第四話、「雪を作る話」の中に収められているのであるが、自然科学に対して別に関係のない読者のために第二話を挿入した。そういう人々のためにこの本を書いたので、雪は水蒸気が凍ったものであるというような分り切ったことまで説明したのである。
 北海道における研究の外に、この数年来、私は新庄にある農林省の積雪地方農村経済調査所の仕事に少しばかり関係が出来て、其処で雪害の実状を見聞している中に、雪と人生との間の深い交渉に驚かされたのである。そして色々気の付いたことを第一話「雪と人生」の中に述べることにした。しかしこの方は結晶の話とちがって私の本当の専門ではないので、大抵は受売りの話である。
 この本を書く前に実は、色々な雑誌や新聞に雪の話を時々書いたので、それらの記事の一部が重複してこの本の中へ出て来ていることがある点を御断りする。本当の所はこの本を作るに当って、小林勇氏が大変力瘤を入れてくれて、私の前の雪の記事の中から適当なものを取り出してくれたり、それから色々な雪の旧い文献とか新しい雪国生活の記録とかを持ち出してくれたりしたので、本書の一部は小林氏との共著といってよい位色々助力を惜しまれなかったのである。茲に銘記してその厚意に深く感謝する。また雪華の研究史については、加納一郎氏著『氷と雪』に拠るところが多かった。併せて感謝の意を表する次第である。

昭和十三年十二月一部改訂に際して
著者
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第一 雪と人生





 千七百七十年正月七日越後の国塩沢に生れた鈴木牧之が天保年間に著した『北越雪譜』は、雪に関する考察と雪国の生活とを書いた書物…

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