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南風譜・梗概
なんぷうふ・こうがい
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「牧野信一全集第四巻」 筑摩書房
2002(平成14)年6月20日
初出「婦人サロン 第三巻第八号」文藝春秋社、1931(昭和6)年8月1日
入力者宮元淳一
校正者門田裕志
公開 / 更新2011-09-30 / 2016-05-09
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


滝本守夫が父親を失つた後の家庭上の紛争に取り囲まれながら異母妹のローラのアメリカからの訪れを待つてゐるうちに、友達の妹(森百合子)の家出の事などを中心にして彼方此方に様々な形の低気圧が起らうとしてゐる明るい海辺の村の面貌を写し来つたのです。その間人物と事件が稍複雑となり、手短かに梗概を述べることは困難ではなからうかと気づいたので、一言に及んだ次第ですが、これは、斯様なゆくたてをはらむだ物語ではありますが、若しも断片的にお読み下すつた読者は、事件に関心なくその一節だけを短篇小説乃至は散文で書かゝれた奇体なバラツドとしてお読み下すつても作者は不本意ではありません。――それはさうとして此処では若者ぞろひの滝本側と堀口といふ財政整理者側の争ひが次第に村全体の渦巻を二手に分つて、不思議な戦争が起らうとしてゐるといふだけを前置として、次の章に移ります。
(作者誌)



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