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四八 黄泉路
しじゅうはち よみじ
作品ID53394
著者宮沢 賢治
文字遣い新字旧仮名
底本 「新修宮沢賢治全集 第六巻」 筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日
入力者junk
校正者土屋隆
公開 / 更新2011-07-16 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


アリイルスチュアール
一九二七

(房中寒くむなしくて
灯は消え月は出でざるに
大なる恐怖の声なして
いま起ちたるはそも何ぞ!……
わが知るものの霊よ
何とてなれは来りしや?)
   (君は云へりき わが待たば
    君も必ず来らんと……)
(愛しきされど愚かしき
遙けくなれの死しけるを
亡きと生けるはもろ共に
行き交ふことの許されね
いざはやなれはくらやみに
われは愛にぞ行くべかり)
   (ゆふべはまことしかるらん
    今宵はしかくあらぬなり)
(とは云へなれは何をもて
ひととわれとをさまたぐる
そのひとまことそのむかし
汝がありしごと愛しきに
しかも汝はいま亡きものを!)
   (しかも汝とていまは亡し)



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