えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

古盃
こはい
作品ID53543
著者萩原 朔太郎
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-02 / 2018-12-18
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より


小人若うて道に倦んじ
走りて隱者を得しが如く
今われ山路の歸さ來つつ
木蔭に形よき汝をえたり。
表面は蛟龍雲を吐いて
神有の祕密をそめて見るや
裏面には伶人額をたれて
物思ひ煩ふなよび姿
才華悧悧たる眼ざしには
工匠が怨みもこもりけんよ。
こは君逸品古色ありと
抱いて歸れば有情なりや
味よきしづくの淺紫なるに
け高き千古の春を知りぬ。



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko