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秋の日
あきのひ
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-02 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


眼を惱む山雀の
愁を分けて、秋の日
乳母の里、梨寺に
稚日想をなやみぬ

花びら
地に落つる音
芥子ちるか
秋なるに

はた山なるに
いと淋しや
宵、また籠をいだいて
憂ひぬ、鳥の病に

ああ疑ふ
死せざらんや、いかで
さて風ふかば、いかで
聞かざらんや
豆の葉の鳴る日を

野面、雪に埋れし
木枯あらばいかに
淋しとて
泣くこころ、鳥にかあらまし
人なればとて、いはんや

かばかりいたむ心ぞ、君
口籠る男を癖とみしも
(昨日か)
思ふに涙はかくこそ流れん
わりなや

秋風、肌に寒しとてや山雀
いといと切なる振に鳴くも
なにかは
我は山住み
今の日笑顏の乳母を見て
知んぬ平和の愛着

目を病むも
老いたるも
人たるも鳥たるも
(さはいへ)
さびしからまし
日は照るに
とこしなへ

籠を抱いて
夜すがら
鳥と愁へぬ。
あかつき
覺めにけり
菊の露



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