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黎明と樹木
れいめいとじゅもく
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-07 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


この青くしなへる指をくみ合せ、
夜あけぬ前に祈るなる、
いのちの寂しさきはまりなく、
あたりにむらがる友を求む。
そこにふるへ、
かくれつつうかがひのぞく榎あり、
いのりつつ、一心に幹をけづりしに、
樹樹はつめたく去り行けり。
みなつらなめて逃れゆく、
黎明の林を出づる旅びとら、
その足竝に音はなけれど、
水ながれいでて靴のかかとをうるほせり。
かくばかり我に信なきともがらに、
なにのかかはりあるべしやは、
空しく坐して祈り、
遠き遍路に消え殘る雪を光らしむ、
いのちはひとりのもの、
ただ我が信願をかくるにより、
木ぬれにかかり、
有明の月もしらみてふるへ悲しめり。



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