えあ草紙・青空図書館 - 作品カード


広告

光る風景
ひかるふうけい
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-13 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
えあ草紙で読む
HTMLページで読む

広告

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

find Audible YouTube

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

楽天Koboで表紙を検索

広告

本文より


青ざめしわれの淫樂われの肉、
感傷の指の銀のするどさよ、
それ、ひるも偏狂の谷に涙をながし、
よるは裸形に螢を點じ、
しきりに哀しみいたみて、
をみなをさいなみきずつくのわれ、
ああ、われの肉われをして、
かくもかくも炎天にいぢらしく泳がしむるの日。
みよ空にまぼろしの島うかびて、
樹木いつさいに峯にかがやき、
憂愁の瀑ながれもやまず、
われけふのおとろへし手を伸べ、
しきりに齒がみをなし、
光る無禮の風景をにくむ。
ああ汝の肖像、
われらおよばぬ至上にあり、
金屬の中にそが性の祕密はかくさる、
よしわれ祈らば、
よしやきみを殺さんとても、
つねにねがはくば、
われが樂欲の墓場をうかがふなかれ、
手はましろき死體にのび、
光る風景のそがひにかくる。
ああ、われのみの、
われのみの聖なる遊戲、
知るひととてもありやなしや、
怒れば足深空に跳り、
その靴もきらめききらめき、
涙のみくちなはのごとく地をはしる。



えあ草紙で読む

ライフメディアへ登録

Koboユーザー必見!
楽天スーパーポイントとは別に
価格の5%がポイントに!

find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2016 Sato Kazuhiko