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絶望の足
ぜつぼうのあし
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-25 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


魚のやうに空氣をもとめて、
よつぱらつて町をあるいてゐる私の足です、
東京市中の掘割から浮びあがるところの足です、
さびしき足、
さびしき足、
よろよろと道に倒れる人足の足、
それよりももつと甚だしくよごれた絶望の足、
あらゆるものをうしなひ、
あらゆる幸福のまぼろしをたづねて、
東京市中を徘徊するよひどれの足、
よごれはてたる病氣の足、
さびしい人格の足、
ひとりものの異性に飢ゑたる足、
よつぱらつて堀ばたをあるく足、
ああ、こころの中になにをもとめんとて、
かくもみづからをはづかしむる日なるか、
よろよろとしてもたるる電信柱、
はげしきすすりなきをこらへるこころ、
ああ、ながく道路に倒れむとする絶望の足です。



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