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破壊
はかい |
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作品ID | 53967 |
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著者 | 加藤 一夫 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社 1987(昭和62)年5月25日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 雪森 |
公開 / 更新 | 2016-01-28 / 2015-12-24 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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未来に 黄金世界を 望むのではない
ただ 現在の不合理を、破壊しようとするのだ
私はユートピアンではない
ただ 衝動に聴く男だ
社会制度が 人間の意識を支配するが
そして その故に 今の社会制度を 破壊するが
さりとて 更に善き社会制度を 立てるのが
私の 唯一の そして究極の目的ではない
まず 破壊するのだ すると新しい制度はおのずから生れるだろう
生命は流れる水
制度は 流れゆく水の路―溝 谷 小川 大川
生命は 常にあらたまりゆく
あらたまるごとに 新しい路を拓く
土を流し 小石を押しのけ
岩を砕いて
破壊から 破壊へ
(発表誌不詳 一九八四年五月戦旗復刻版刊行会刊『社会派アンソロジー集成』別巻を底本)