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冬至
とうじ
著者
文字遣い旧字旧仮名
底本 「日光浴室 櫻間中庸遺稿集」 ボン書店
1936(昭和11)年7月28日
入力者Y.S.
校正者富田倫生
公開 / 更新2011-12-26 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。
外は武藏野の風であらうにこの落ちついた心はふるさとを想つてゐる。
ぷち――ぷち
ゆぶねのあちこちに月のやうに浮んでゐる橙の實をそつと下から押へる。
兩手の指で押へると種子はあわてゝはねる。いゝ音だ。
冬至。ふるさとも風であらう。
ぷちつとはねた種子は私の額ではずんで湯に逃げた。
私は笑ひたくなつた。
顏をあげると高いガラス窓の外はもう紫のビロウドをひろげ細い月が劇のセツテングのやうにぶら下つてゐる。



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