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まどをひらく
作品ID53996
著者桜間 中庸
文字遣い旧字旧仮名
底本 「日光浴室 櫻間中庸遺稿集」 ボン書店
1936(昭和11)年7月28日
入力者Y.S.
校正者富田倫生
公開 / 更新2011-12-30 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


これが十二月の空であらうか。風は北極に流れて行つたらしい。
この空のあをさはどうだ。
みの虫みの虫。みの虫だと思つたのはアカシヤの實の莢であつた。
みの虫みの虫、風に吹かれてみのを着たまま飛んでつたとうたつた童謠詩人を思ひだす。
家の側の坂道を子供が三輪車を走らせてゐる。その妹が後から追かける。二人ともただもうわけのわからない感興の聲を青空に投げつけながら。
私は久しぶりに落ちついてゐる。
新宿へ出かけよう。そして「燕」の特別急行券を買つて來よう。



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