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二人の子持ちになった労働者のおっ母あに送る
ふたりのこもちになったろうどうしゃのおっかあにおくる
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
初出「戦旗」1931(昭和6)年9月号
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2016-01-09 / 2015-12-24
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


子持ちとなった労働者のおッ母あよ!
数万の大軍を率いてアルプスの険を突破した若いナポレオンには不可能がなかった。
エルバの孤島で不可能の浪に弄ばれつつさびしく憤死した
だがプロレタリアートには不可能がない
労働者のおッ母あが絶えず子供を生んで育てているから
 ――乳をのませ、めしを喰わせ、おしめを洗い、内職をして親父を元気づける
労働者のおッ母あはこの上なく忙しい
――合理化の中の機械のように
過労の疲れから失望するな!
日一日とプロレタリアートの子供は力強く生長しているんだ!
労働者のおッ母あが子供を持ったと聞いたとき
牢獄に投げ込まれているおれは
骨を削られるような苦しさを想像しつつも新しい力を加えられた
二人の子供を持った労働者のおッ母あよ!
おれは元気で失望しない
地球がまるく、太陽の周囲で楕円形の弧を描きつつ有限の宇宙を進行している限り
おれは日一日と希望を喰って失望を便器の中に投げ込んでいる
(獄中から松田解子宛書簡一九三一年一月二十八日付 『戦旗』一九三一年九月号に発表 『陀田勘助詩集』を底本)



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