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アコウの木
アカホのき
作品ID54415
著者泉 芳朗
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
入力者坂本真一
校正者フクポー
公開 / 更新2018-03-18 / 2018-03-20
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


冬の光は冲天に流れて
池面は数日来じめじめ淀んでゐる

アカホの木は一つ古木ゆゑに
杖のやうに気根をたより
その南の枝に烏は一羽 未だ地上に達しない光を貪ってゐる

烏は ただ 黙々と
村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ

樹下にたじろぐ二人三人の村人は
木梢にうそぶく彼の運命の声に胸をおさへてゐる

[#挿絵]このアカホの木に烏がなけば、それは村中に起るべき死人かお産かの前兆であると村人は信じてゐます



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