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森の石松
もりのいしまつ
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「山中貞雄作品集 全一巻」 実業之日本社
1998(平成10)年10月28日
初出「シナリオ・臨時増刊号」1937(昭和12)年11月
入力者平川哲生
校正者門田裕志
公開 / 更新2012-11-16 / 2014-11-12
長さの目安約 51 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

森の石松 日活京都

原作・脚色・監督
      山中貞雄
撮影   荒木朝二郎
録音    中村敏夫
音楽     西梧郎
キャスト
森の石松       黒川弥太郎
石松女房 お半     花井蘭子
父親 源兵衛      横山運平
妹 お静        深水藤子
小松村の七五郎     清川荘司
お勘婆さん      小松みどり
清水次郎長      鳥羽陽之助
武井の安五郎      香川良介
都田村の吉兵衛    今成平九郎
大瀬の半五郎      磯川勝彦
旅人 広造       松下猛男
同 虎三        若松文男
神沢の小五郎     南城竜之助
法印大五郎        紺尾清
桝川仙右衛       楠栄三郎
荒川の新太        小森敏
保下田の久六     左文字一郎
酌婦 おろく     伊村利江子
[#改ページ]
S=街道筋茶店の表
 遠州森町の近く。
 秋晴れの或る日。
 渡世人らしい旅人が一人休んで居る。
 茶店の娘お静、茶を持って来る。
 「姐さん草鞋があるかい」
 「え、御座います」
 「そうかい、じゃ一つくんな」
 「はい」
 その時、通りかかった……これも渡世人の旅人が三人。
 中の一人がつかつかと傍へ寄り、
 「失礼だが、若しやお前さん武井の安五郎さんの身内で神沢の小五郎さんとは仰しゃいませんか?」
 「へえ、儂は小五郎だが、そう言うお前さんは誰方で?」
 「俺ァ駿河の国は有度郡清水港の長五郎だ」
 次郎長の背後の二人が名乗る。
 「俺ァ清水一家の桝川屋仙右衛門」
 「俺ァ法印の大五郎だ」
 次郎長が、
 「小五郎、手前よくも俺の身内の佐太郎を殺して逃げやがったな?」
 「冗談言っちゃいけねえ清水の御貸元、それァ何かの間違いだ、俺ァ人殺しなンぞした事がねえ」
 「何を言やがるんだ、言い逃れは聞かねえ、立派に証人があるんだ、小五郎ッ覚悟を決めて仕度しろッ」
 小五郎、突然斬って来る。次郎長も抜く。
 茶店の親爺の源兵衛と娘のお静、驚く。
 床几がひっくりかえる。
 土瓶や湯呑がとんで来る。
 「危ないッ、お静やッ」
 「おとっつあん」
 お静、奥へ駈け込んだ。

S=茶店の
 奥の部屋で息子の石松が寝て居る。
 「兄さん、兄さん、大変ッ大変よ」
 と表からお静、駈け込んだ。
 「あら、まだ寝てンのね、兄さん起きてよ」
 石松、むにゃむにゃ言って起きない。
 お静、
 「兄さんッたら一寸来てよ、大変なの」
 「五月蝿えな」
 「大変なのよ、来て御覧」
 「どうしたんだ」
 「今、家の表で喧嘩がはじまったの、大騒ぎよ」
 「ちえッ、喧嘩なんか珍しくもねえ、喧嘩なら俺ァ毎晩やってらァ、昨夜も権六の野郎と喧嘩して向う脛蹴っとばしてやった」
 「違うの、そんな喧嘩じゃないの。刀抜いてるわよ」
 「刀を抜いてる? お…

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