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演習一
えんしゅういち
作品ID54809
著者竹内 浩三
文字遣い新字新仮名
底本 「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」 藤原書店
2001(平成13)年11月30日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2014-12-12 / 2014-11-14
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


ずぶぬれの機銃分隊であった
ぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになった
ぼくだけあごひもをしめておった
きりりと勇ましいであろうと考えた
いくつもいくつも膝まで水のある濠があった
ぼくはそれが気に入って
びちゃびちゃとびこんだ
まわり路までしてとびこみにいった
泥水や雑草を手でかきむしった
内臓がとびちるほどの息づかいであった
白いりんどうの花が
狂気のようにゆれておった

ぼくは草の上を氷河のように匍匐しておった
白いりんどうの花が
狂気のようにゆれておった
白いりんどうの花に顔を押しつけて
息をひそめて
ぼくは
切に望郷しておった



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