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最後の手紙
さいごのてがみ
作品ID55032
著者仲村 渠
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「近代風景 第3巻9号」1928(昭和3)年
入力者坂本真一
校正者良本典代
公開 / 更新2016-12-04 / 2016-09-09
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


氷になつて
午后一時 A広場のまんなかで消えてしまう。

     [#挿絵]

贈つてもらつた独逸製の目醒し時計の中に隠れるから
燈台の尖へあがつていつて
海の方へ力いつぱい抛つてくれたまへ。

     [#挿絵]

太平洋のまんなかには、ちツちやくて綺麗な魚はゐないだらうか
かならず僕を喰べてほしい、豆になつて跳びこむから。

     [#挿絵]

せツちやん。
君は僕のいふことを聞いてはくれぬ故、僕は以上三ツのいづれかを実行します。では、達者でね。さよなら。



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