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きその日は
きそのひは
著者
翻訳者上田 敏
文字遣い旧字旧仮名
底本 「上田敏全訳詩集」 岩波文庫、岩波書店
1962(昭和37)年12月16日
初出「家庭文芸 創刊号」1907(明治40)年1月
入力者川山隆
校正者成宮佐知子
公開 / 更新2012-11-26 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


きその日は思むすぼれ、とぼとぼと
馬を進むる憂き旅路、これも旅かや
まのあたり、路のもなかに「愛」の神、
巡禮姿、しほたれて、衣手輕し。

うれはしき其かんばせは、さながらに、
位はがれしやらはれのやつれ姿か、
憂愁の思にくれて吐息がち、
人目を避けて、うなだるゝあはれの君よ。

ふとしもわれを見給ひて呼び給ふやう、
『われは、今、かの遠里をはなれ來ぬ。
さきにはそこに汝が身の心の臟をぞ

置きたれど、新の悦得させむと
持ち來りぬ』とのたまひつ、忽ちわれに
憑きたまひ、消え失せたるぞ不思議なる。



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